「遺言書を見たら、兄にすべての財産を譲ると書かれていた…」
「父の介護を一身に担ってきたのに、私の取り分が全くないなんて納得できない!」
「亡くなった夫の遺言で、愛人にほとんどの財産が渡ってしまい、今後の生活が不安…」
▶ まずは「期限」と「証拠化」だけは落とさないでください。遺留分侵害額請求は、知った時から1年という短期の期限があります。
※本記事は一般的な情報提供であり、個別事案は事実関係により結論が変わります。具体的対応は弁護士へご相談ください。
【冒頭チェックリスト】30秒で分かる:あなたはいま何をすべき?
当てはまる項目にチェック(☑)。1つでも該当したら、早めに専門家へ相談すると選択肢が広がります。
【結論の要点】
金銭請求が原則
遺留分侵害額請求は、原則「金銭(現金)」での請求
期限と証拠化が重要
期限は「知った時から1年」なので、まず意思表示の証拠化が最優先
双方にリスクがある
請求する側・された側のいずれも、対応を誤ると大きな不利益が生じやすい
この記事で分かること
1. 2019年改正のポイント
最重要ポイント:2019年改正で何が変わった?「現物返還」から「金銭請求」へ
2. 遺留分の基本
遺留分の基本(誰が請求できる?割合は?)
3. 請求する側の流れ
【請求する側】具体的アクション(協議→内容証明→調停→訴訟)
4. 請求された側の対応
【請求された側】突然の請求への対応(時効・金額・支払猶予)
5. 失敗と落とし穴
よくある失敗と落とし穴(請求側/請求された側)
6. よくある質問
【FAQ】よくある質問
7. 相談案内
弁護士に依頼するメリット/当事務所の相談案内
1. 【最重要ポイント】法改正で何が変わった?「モノで返す」から「お金で返す」へ
2019年7月1日の民法改正で、遺留分を侵害されたときの返還方法が大きく変わりました。
1-1. 旧制度:遺留分減殺請求(現物返還)
不動産共有の問題
不動産が共有になり、売却・賃貸・管理で「新たな紛争の火種」になりやすい
事業承継の問題
事業承継で株式が分散し、経営の安定を損なうことがある
1-2. 新制度:遺留分侵害額請求(金銭請求)
改正後は、侵害された遺留分を「金銭」で支払ってもらう権利(遺留分侵害額請求)が中心です。
▶ 共有化を避けて解決しやすくなった一方、「現金をどう用意するか」「期限をどうするか」が実務の争点になりやすい点がポイントです。
2. 遺留分とは?(対象者・割合の基本)
遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人(配偶者、子、直系尊属など)に法律上最低限保障された取り分です。
【遺留分の割合(遺産全体に対する総体的遺留分)】
配偶者+子/子のみ/配偶者のみ
1/2
直系尊属のみ(親など)
1/3
兄弟姉妹
なし(遺留分なし)
3. 【請求する側】遺留分を取り戻すためのアクション(実務の流れ)
ステップ1:まずは冷静に協議(話し合い)
いきなり法的手続に進む前に、まずは相手方と話し合いの場を持つことが基本です。
▶ ただし期限が迫る/相手が拒否しそうなら「協議と並行して」内容証明準備を進めます。
ステップ2:【最重要】内容証明郵便で「請求の意思表示」を証拠化
遺留分侵害額請求には「知った時から1年」という短い期間制限があります(民法1048条)。
内容証明郵便は、いつ・誰が・誰に・何を通知したかを証明し、「言った言わない」を防ぎます。
▶ 【重要】家庭裁判所に調停を申し立てただけでは、相手方への意思表示にならない点に注意してください(裁判所の案内でも明記)。
ステップ3:家庭裁判所で調停
話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所での調停手続を利用します。
ステップ4:調停不成立なら訴訟
調停で合意できなければ、最終的には訴訟で侵害額を確定します。
【内容証明に最低限入れる項目(例)】
4. 【請求された側】突然の請求…どう対応する?
4-1. 無視はNG/まずは時効(1年・10年)を確認
請求を無視すると、調停・訴訟へ進む可能性が高まります。
消滅時効
相手が「相続開始と侵害を知った時から1年以内」に意思表示したか
期間制限
相続開始から10年が経過していないか
▶ 安易に「払います」と認める発言は、時効主張に影響することがあるため慎重に。
4-2. 請求額は正しい?(遺産評価・算定基礎の検証)
不動産・非上場株式の評価は方法で大きく変わるため、相手提示額を鵜呑みにしないことが重要です。
4-3. 【重要】支払いが難しい場合:支払猶予(期限の許与)
改正により、裁判所が支払期限を延ばす「相当の期限の許与」を認める制度が新設されました(民法1047条5項)。
▶ 交渉段階では「分割・期限・担保(期限の利益喪失条項)」の設計が実務上の鍵になります。
5. 遺留分トラブルの「よくある失敗」と「落とし穴」
5-1. 請求する側の失敗例
5-2. 請求された側の失敗例
【FAQ】遺留分侵害額請求でよくある質問
Q1. 「調停を申し立てた」だけで時効(1年)は止まりますか?
A. 原則として止まりません。相手方への「意思表示」が必要で、調停申立てとは別に内容証明等で通知しておく必要があります。
Q2. 期限はいつまで?
A. 「相続の開始と、侵害する贈与・遺贈があったことを知った時」から1年、相続開始から10年です(民法1048条)。
Q3. 「現物(不動産の持分)で払え」と言われたら?
A. 改正後は原則金銭請求です。もっとも当事者の合意があれば代物弁済(現物での精算)をすることはあり得ますが、税務面の検討が必要です。
Q4. 請求された側ですが、現金がありません。どうすれば?
A. 交渉で分割・期限を調整し、折り合わなければ裁判所に支払期限の許与(民法1047条5項)を求める余地があります。
Q5. 相手の請求額が高い気がします。争えますか?
A. 争点は「算定基礎(財産の範囲)」「評価(不動産・株式)」「特別受益・債務」などです。資料を集め、根拠と計算過程を開示させた上で検討します。
6. 弁護士に依頼するメリット/当事務所でできること
期限管理と証拠化
期限管理(1年・10年)と意思表示の証拠化(内容証明)の設計
遺産調査と評価
遺産調査(預貯金・不動産・株式・保険・贈与歴)と適正評価の手配
一貫対応
交渉・調停・訴訟まで一貫対応(相手方との直接対応を減らす)
支払方法の設計
支払方法(分割・担保・期限の利益喪失)や支払猶予の主張整理
※遺留分侵害額請求は、「動き出すタイミング」を誤ると、たとえ権利があっても実質的に回収できなくなるケースがあります。
【相談導線(例)】
初回相談
遺言・贈与の内容、相続人関係、期限(いつ知ったか)を確認
次にやること
内容証明の起案/財産資料のリストアップ/評価の方針決定
交渉方針
一括・分割、担保、合意書の条項設計
蒼生法律事務所( https://sousei-law.jp/ )では、大阪・関西エリアを中心に、遺留分侵害額請求を含む相続案件を数多く取り扱っています。
※ 大阪・関西エリアで、遺留分侵害額請求についてお困りの方(請求したい方、請求を受けた方)は、地域事情に精通した弁護士に相談することが重要です。
初回のご相談にあたっては、
・資料が揃っていなくても
・何を聞けばよいか分からなくても
問題ありません。
「何から手をつければいいか分からない」という段階でも問題ありません。
・状況整理が中心でも大丈夫です。
・その場で結論を出す必要はありません。
「今の状態を確認するだけ」のご相談でも問題ありません。
必ずしもご依頼いただく必要はありません。
初回相談では、代表弁護士・平野 潤が直接お話を伺います。
※ご相談内容は厳重に管理し、外部に漏れることはありませんので、ご安心ください。
【お問い合わせ先】
- 事務所名
- 蒼生法律事務所(代表弁護士 平野 潤)
- 住所
- 大阪市北区西天満4丁目1番20号 リープラザ301
- お電話
- 06-6809-3033
- メール
- souseilaw33799@gmail.com
- 公式サイト
- https://sousei-law.jp/
いつでもお気軽にお電話・メールなどでご連絡ください。お待ちしております。
参考(公的情報)
遺留分制度に関する見直しなど(法務省)
遺留分侵害額の請求調停(裁判所)

2004年の弁護士登録以降、個人・法人問わず幅広い事件を担当し、クライアントにとっての重大事には誠実かつ丁寧に寄り添う。命運に配慮し、最善策を模索。豊富な実績と十分なコミュニケーションで、敷居の高さを感じさせない弁護士像を追求してきた。1978年大阪府出身、京都大学法学部卒業。2011年に独立。不動産・労務・商事・民事・破産・家事など多様な分野を扱い、2024年6月に蒼生法律事務所へ合流。相続・遺言


