相続した会社の売却:財産と負債の明確化から会社売却まで


遺産相続はしばしば複雑で感情的な問題を引き起こします。
特に会社を経営していた故人からの遺産の場合、未知の負債という不安定要素が伴います。
当事務所では、相続放棄の選択肢を冷静に検討する時間を確保し、必要な場合には負債と資産の詳細な調査を行います。
経営に関与していなかった遺族が直面するこのような状況に、どのように対処し、適切な解決を図ることができるのかを詳細に説明します。

事例:財産と負債の明確化から会社売却まで


故人が会社を経営していましたが、相続人はその経営には関与しておらず、遺産や会社財産の詳細が不明な状況です。
このため、会社の借入れについての保証債務など、故人の財産以上の負債があるのかもわからず不安に感じていました。
また、相続人は各自仕事についており、会社の継続経営にも興味がないため、どのように対応すべきかお悩みでした。

当事務所の対応

1.相続放棄の熟慮期間延長手続きの実施
原則として、相続放棄をするかどうかは、相続開始を知ってから3か月以内に判断し手続きをしないといけません。もっとも、会社財産の調査まで必要となると時間が足りません。
そこで、当事務所では、相続放棄をするかどうか決定する重要な期間を法的に延長する手続き(熟慮期間の伸長手続き)をサポートしました。
これにより、クライアントに十分な時間を確保し、冷静に状況を評価することが可能となります。

2.相続財産の詳細な調査
ある程度の時間を確保できたので、故人の遺した財産および負債の全体像を把握するため、詳細な調査を行いました。
これには、会社の資産状況、負債の額、およびその他の関連情報の確認が含まれます。

3.債務問題の交渉と解決
もし負債が生じる可能性がある場合、債権者との交渉を行い、問題の解決を図りました。
これにより、相続によるリスクを最小限に抑えることができます。

4.会社の売却手続きの支援
会社を相続する意向がない場合には、適正な市場価値で会社を売却するため、税理士・公認会計士に会社の価値評価をしてもらったうえで、複数の業者に入札をしてもらいました。
最終的には、相続人が納得できる相当価格での売却を実現しました。

ご相談の流れ


1: 初回無料相談
相続の概要を把握し、クライアントの懸念や疑問を詳しく伺います。
クライアントから遺産の状況、関与度、および現在の悩みについて情報を収集します。
また、法律事務所のサービス内容と成功事例を紹介し、信頼関係を築きます。

2: 契約と正式依頼
依頼の詳細を確定し、正式に業務を開始いたします。
相談内容に基づいた具体的なサービス提案と見積もりを提供し、契約書を交わします。
この段階で、必要な書類や情報の提供を依頼します。

3: 詳細調査と戦略計画
遺産の全体像を把握し、適切な対応策を計画します。
遺産に関する詳細な調査を行い、財産と負債の確定作業を進めます。
可能な債務リスクに対処するための戦略を立案し、相続放棄のオプションも検討します。

4: 解決策の実施
調査結果に基づき、具体的な解決策を実行します。
債務問題の交渉、会社の売却手続きの支援、その他必要な法的手続きを進行します。
このプロセスには、関連する業者や専門家(税理士、不動産鑑定士等)と協力して進めます。

5: 完了とフォローアップ
全ての手続きが正しく完了し、クライアントが納得のいく結果を得られたことを確認いたします。
手続きの完了をクライアントに報告し、必要に応じて追加の支援や将来の法的問題についての相談を提供します。

会社の売却を考えている相続人の方へ


会社経営者の相続に際して直面する課題は多岐にわたりますが、それぞれに適切な対策と解決策を提供することが我々の役割です。
故人が遺した企業の責任を引き継ぐことなく、法的なリスクを最小化しながら財産を保全する方法をご提案します。
財産の詳細な調査から、必要に応じた債務の交渉、そして企業の売却まで、一連のプロセスを通じて、クライアントが安心して次のステップへと進めるよう支援します。
この包括的なアプローチにより、故人の意思に沿った公正な財産分配を実現し、相続人全員が納得のいく解決を目指します。