皆さん、こんにちは。蒼生(そうせい)法律事務所、代表弁護士の平野 潤(ひらの じゅん)です。
実家の相続は、「放置」と「とりあえず共有」がいちばん危険です。空き家のまま放置すると管理負担や税負担が増え、共有にすると売却・活用が進まず、感情的対立が長期化しやすくなります。
空き家や所有者不明不動産に関する問題は全国的に広がっており、特に大阪・関西エリアでも、空き家や共有名義不動産をめぐる相続トラブルのご相談が年々増えています。
この記事では、実家相続で起こりがちな失敗パターンを5つに整理し、「やってはいけない → こうすれば進む」を弁護士目線でわかりやすく解説します。
- 【冒頭30秒】実家相続 “詰まりポイント” チェックリスト
- 「とりあえず放置」で固定資産税が大幅増に!?「空き家」リスク
- 「とりあえず共有」で身動きが取れない!処分できない不動産
- 共有状態のまま時が過ぎ…「二次相続」で相続人がネズミ算式に増加
- (追記)相続登記は“3年以内”が原則:放置で手続きが一気に難しくなる
- 実家しか見ていなかった!後から発覚した「多額の借金」
- 「オレが親の面倒を見た!」寄与分・特別受益で話し合いが決裂
- (追記)「使わない土地」を手放す選択肢:相続土地国庫帰属制度
- よくある質問(FAQ)
- 実家の相続で失敗しないために。弁護士ができること
- まとめ
- 【お問い合わせ先】
- 参考(本文中で引用した公的機関等の出典)
【冒頭30秒】実家相続 “詰まりポイント” チェックリスト
- □ 実家に誰も住む予定がない(空き家になりそう)
- □ 兄弟姉妹で「とりあえず共有名義」にしようとしている
- □ 相続財産を全部把握できていない(借金・保証債務が不安)
- □ 相続開始から3ヶ月が迫っている/過ぎた(相続放棄が気になる)
- □ 遺産分割で感情的対立(寄与分・特別受益・遺留分が火種)
- □ 実家が遠方で管理できない(草木・老朽化・近隣苦情が心配)
→ 2つ以上当てはまる方は、問題が複雑化する前に「全体像の整理」から始めるのがおすすめです。
「とりあえず放置」で固定資産税が大幅増に!?「空き家」リスク

【状況】
Aさんの父親が亡くなり、実家の土地と建物を相続しました。しかし、Aさん自身は家族と遠方の都会で暮らしており、実家に戻る予定はありません。
「特に売るのも面倒だし、思い出もあるから、とりあえずそのままにしておこう」Aさんは、実家を空き家のまま放置することにしました。
【失敗の結末】
数年後、近隣住民から「家がボロボロで危険だ」「草木が伸び放題で迷惑している」「不法投棄のゴミがひどい」といった苦情が役所に入りました。
役所の調査の結果、Aさんの実家は「特定空家(とくていあきや)」に指定されてしまいました。
この「特定空家」に指定されると、固定資産税の優遇措置が解除されることがあり、土地の税負担が実質的に増える可能性があります。
【やってはいけない✖】
空き家の放置(管理不全のまま時間が経つ)
【こうすればいい○】
「売却/賃貸/管理委託/解体を含む出口戦略」を早めに決め、近隣苦情・行政対応のリスクを小さくする
【今すぐToDo(目安)】
①現地の写真・劣化箇所を記録
②固定資産税の通知・評価を確認
③管理(草刈り・換気・見回り)の体制を作る
【弁護士に相談すべきタイミング】遠方で管理できない/近隣から苦情が来ている/売るにも共有・名義・境界などが絡む場合は、早めに専門家へ。
【出典】ページ名:「「特定空家等」または「管理不全空家等」に該当すると土地に対する固定資産税・都市計画税の税額が高くなる場合があります。」(東京都主税局)
URL:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/real_estate/kotei_tosi/tokuteiakiya
「とりあえず共有」で身動きが取れない!処分できない不動産

【状況】
Bさん(長男)は、父親の相続にあたり、弟と妹と話し合いました。遺産は主に実家の不動産です。
「お父さんとの思い出の家だから、誰も住まないけど、売るのは忍びない」「かといって、誰か一人が相続するのも不公平だ」
そこでBさんたちは、「ひとまず、兄弟3人の共有(きょうゆう)名義にしておこう」と決めました。
【失敗の結末】
数年後、Bさんたちは「やはり管理も大変だし、固定資産税も払い続けるのがもったいない」と考え、実家を売却したいと思うようになりました。
しかし、弟が「やっぱり売りたくない」と言い出します。共有の不動産を売却(処分)する場合、共有者「全員」の同意が必要で、一人でも反対すれば売れません。
やってはいけない✖
「いったん共有」にして先送りする(将来の売却・管理・費用負担で揉めやすい)
こうすればいい○
①代償分割(1人が取得し他に金銭で調整)
②換価分割(売却して分ける)
③賃貸など、早期に方針を決める
今すぐToDo
①共有にする場合でも“将来の売却・費用負担・管理ルール”を書面化
②売却可能性(査定)を確認
③火災保険・修繕・税金の負担者を明確化
【弁護士に相談すべきタイミング】共有者の一部が反対/費用精算が進まない/連絡が取りづらい相続人がいる場合は、交渉窓口を専門家に一本化すると進みやすいです。
共有状態のまま時が過ぎ…「二次相続」で相続人がネズミ算式に増加

【状況】
Cさん(3人兄弟の長女)は、実家を兄弟3人の共有名義にしていました。その後、特に売却などの話もまとまらないまま、10年が経過しました。そんな中、弟(次男)が亡くなってしまいました。
【失敗の結末】
亡くなった次男の共有持分は、次男の妻と子どもが相続します。その結果、共有者が増え、意見集約が極めて難しくなります。
【やってはいけない✖】
共有のまま放置(次の世代に「負の遺産」を先送り)
【こうすればいい○】
共有を作らない・作っても早期に解消する(売却/代償分割/持分整理)
【今すぐToDo】
①共有者と連絡先の最新化
②共有解消の合意形成のロードマップ作成
③期限(登記・税・管理)を可視化
【弁護士に相談すべきタイミング】相続人が増えて所在不明が出そう/相続人に未成年や判断能力の問題がある/海外在住がいる場合は早めに。
(追記)相続登記は“3年以内”が原則:放置で手続きが一気に難しくなる
不動産を相続した場合、相続(遺言を含む)により所有権を取得した相続人は「相続で取得したことを知った日から3年以内」に相続登記の申請が義務付けられ、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となり得ます。
【出典】ページ名:相続登記の申請義務化について(法務省) URL:https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html
実家しか見ていなかった!後から発覚した「多額の借金」
【状況】
Dさんは「財産は田舎の実家くらいだろう」と思い込み、屋根の修繕や草むしりなど管理を始めました。
【失敗の結末】
4ヶ月後、消費者金融から督促状が届き、多額の借金が発覚。相続放棄を検討するも、期限(原則3ヶ月)を過ぎ、さらに修繕等が「単純承認」と見なされ相続放棄が困難になる可能性が出ました。
【やってはいけない✖】
財産調査前に修繕・処分などを進める(相続放棄の余地を狭める)
【こうすればいい○】
①まず相続財産調査(預金・不動産・借金・保証)
②期限内に方針決定(単純承認/限定承認/相続放棄)
【今すぐToDo】
①借入・保証の手がかり(郵便物・通帳・契約書)を確保
②金融・債権者の照会
③必要なら家庭裁判所手続の準備
【出典】ページ名:相続の放棄の申述(裁判所) URL:https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html
「オレが親の面倒を見た!」寄与分・特別受益で話し合いが決裂
【状況】
Eさん(長男)は父と同居。実家中心の遺産で妹・弟と遺産分割協議を行いました。
【失敗の結末】
寄与分・特別受益をめぐり感情的対立が噴出し、協議は決裂。調停でも折り合わず審判へ。
【やってはいけない✖】
感情のぶつけ合いで協議を進める(争点が整理されず長期化)
【こうすればいい○】
寄与分・特別受益・遺留分などの争点を法的に整理し、「分け方の選択肢(換価分割/代償分割等)」で合意点を探る
【今すぐToDo】
①生前贈与・援助の資料整理 ②介護・貢献の事実(期間・内容・支出)整理 ③分割案のたたき台を作る
(追記)「使わない土地」を手放す選択肢:相続土地国庫帰属制度
相続等で取得した土地について、一定の要件を満たす場合に国へ引き渡す申請ができる制度があります(審査手数料:一筆14,000円など)。
【出典】ページ名:相続土地国庫帰属制度の概要(法務省) URL:https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00457.html
よくある質問(FAQ)
Q1. 相続放棄の「3ヶ月」を過ぎたら、もう無理ですか?
A. 原則は3ヶ月以内ですが、起算点や事情により難しい判断が必要となることがあります。相続財産の「処分」が単純承認と見なされるリスクもあるため、早めの弁護士相談が安全です。
Q2. 実家を兄弟で共有にした場合、後で売れますか?
A. 共有不動産の売却には共有者全員の同意が必要となりますので、一人でも反対すると売却手続きが止まってしまいます。
Q3. 空き家を放置すると、どんな不利益がありますか?
A. 管理不全等で「特定空家」等に該当すると、住宅用地の特例が外れるなど税負担が増える可能性があります。
Q4. 相続財産が分からないのですが、ゆっくり調べればいいですか?
A. 相続放棄の期間内に、プラス財産だけでなく負債も含めた相続財産を調査することが重要です。見落としは相続放棄判断を誤らせます。
Q5. 遺産分割がまとまらず、実家の扱いが決まりません。どう進めますか?
A. 感情論(寄与分・特別受益等)が絡むと難航しがちです。法的整理と第三者調整が有効です。
Q6. 相続登記はいつまでに必要ですか?放置するとどんな不利益がありますか?
A. 不動産を相続したことを知った日から原則3年以内に申請義務があり、正当な理由なく怠ると過料の対象となり得ます。
実家の相続で失敗しないために。弁護士ができること
ここまで、実家相続の恐ろしい失敗事例を見てきました。こうした失敗を避け、円満な相続を実現するために、私たち弁護士がお手伝いできることはたくさんあります。
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1. 正確な「相続人調査」と「相続財産調査」
失敗事例4のように「借金を見逃す」のは最悪のケースです。また、事例3のように「知らない相続人がいた」ということもあり得ます。弁護士は、専門的な知識で、不動産(実家、納屋、農地など)はもちろん、預貯金、有価証券、そして借金に至るまで、正確な財産調査を行い、相続の全体像を明らかにします。 -
2. 公平で円満な「遺産分割協議」のサポート
失敗事例5のような感情的な対立は、当事者同士では解決が困難です。弁護士が法的なアドバイザーとして、また冷静な第三者として間に入ることで、「寄与分」や「特別受益」、「遺留分」などを法的に整理し、全員が納得できる分割案(換価分割、代償分割など)を提案・調整します。 -
3. 「空き家」や「共有不動産」の最適な処分方法のご提案
失敗事例1・2のような「負の遺産」にしないため、弁護士は司法書士や不動産業者とも連携し、売却、賃貸、相続土地国庫帰属制度の活用など、ご実家の状況に応じた出口戦略を一緒に考えます。 -
4. すべての手続の窓口となる「遺産整理業務」
「相続手続が複雑すぎて、何をしたらいいかわからない!」「遠方に住んでいて、実家の片付けや役所の手続に行く時間がない」そんな方のために、蒼生法律事務所では、相続財産の調査、遺産分割協議、不動産の名義変更、預貯金の解約・分配まで、あらゆる手続をワンストップで代行する「遺産整理業務」も承っております。
まとめ
「実家の相続」は、単なる財産の問題ではなく、ご家族の感情や、将来の管理責任が複雑に絡み合う難しい問題です。「うちは仲が良いから大丈夫」「財産は実家だけだから揉めない」と思っていても、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあります。
蒼生法律事務所では、初回無料相談で「実家相続の詰まりポイント」を診断します。共有にすべきか、売却・活用の出口戦略は何が現実的か、相続放棄や財産調査の進め方など、状況に合わせて全体像を整理します。
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蒼生法律事務所( https://sousei-law.jp/ )では、大阪・関西エリアを中心に、不動産相続をはじめとする相続案件を数多く取り扱っています。
※ 大阪・関西エリアで相続人の調査にお困りの方は、地域事情に精通した弁護士に相談することが重要です。
初回のご相談にあたっては、
- 資料が揃っていなくても
- 何を聞けばよいか分からなくても
問題ありません。
「何から手をつければいいか分からない」という段階でも問題ありません。
- 状況整理が中心でも大丈夫です。
- その場で結論を出す必要はありません。
「今の状態を確認するだけ」のご相談でも問題ありません。
必ずしもご依頼いただく必要はありません。
初回相談では、代表弁護士・平野 潤が直接お話を伺います。
※ご相談内容は厳重に管理し、外部に漏れることはありませんので、ご安心ください。
【お問い合わせ先】
- 蒼生法律事務所(代表弁護士 平野 潤)
- 住所:大阪市北区西天満4丁目1番20号 リープラザ301
- 📞 お電話:06-6809-3033
- ✉ メール:souseilaw33799@gmail.com
- 🌐 公式サイト:https://sousei-law.jp/
いつでもお気軽にお電話・メールなどでご連絡ください。お待ちしております。
参考(本文中で引用した公的機関等の出典)
- 「特定空家等」または「管理不全空家等」に該当すると固定資産税等が高くなる場合(東京都主税局)
https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/real_estate/kotei_tosi/tokuteiakiya - 相続の放棄の申述(裁判所)
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html - 相続登記の申請義務化について(法務省)
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html - 相続土地国庫帰属制度の概要(法務省)
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00457.html

2004年の弁護士登録以降、個人・法人問わず幅広い事件を担当し、クライアントにとっての重大事には誠実かつ丁寧に寄り添う。命運に配慮し、最善策を模索。豊富な実績と十分なコミュニケーションで、敷居の高さを感じさせない弁護士像を追求してきた。1978年大阪府出身、京都大学法学部卒業。2011年に独立。不動産・労務・商事・民事・破産・家事など多様な分野を扱い、2024年6月に蒼生法律事務所へ合流。相続・遺言


