こんにちは。蒼生法律事務所で代表弁護士を務めております、平野 潤(ひらの じゅん)です。
最近、ニュースや雑誌で「おひとりさま」という言葉をよく目にしますよね。
独身の方だけでなく、配偶者と死別された方や、お子様がいらっしゃらないご夫婦など、現代の日本では「おひとりさま」として老後を過ごす方は決して珍しくありません。
そんな中で、多くの方が心のどこかで感じている不安があります。
「兄弟とは何十年も会っていない」
「亡くなった後、家や預金がどうなるか考えたことがない」
こうした状態のまま亡くなった結果、せっかく築いた財産がまったく面識のない甥・姪に全部渡ってしまった、誰も手続きをしないまま自宅が放置され近隣トラブルになった、全財産が国庫(国のサイフ)に入ってしまった、というケースが、ここ数年急増しています。
実際にご相談に来られる方のなかには、
・ 大きな財産を所有しているものではない
・ 特別なトラブルが起きているわけでもない
という「ごく普通の方」も少なくありません。
それでも、何も準備しなかったこと自体が問題になってしまうのが、おひとりさまの相続の特徴です。
この記事では、
・おひとりさまが亡くなった場合、誰が相続人になるのか
・何も準備しなかった場合、財産はどうなるのか
・安心して老後を過ごすために今できる具体策
を、弁護士の視点で解説します。
1. 自分が亡くなったら、誰が「相続人」になるの?

まず知っておきたいのが、法律で決められた「法定相続人(ほうていそうぞくにん)」のルールです。
相続人には「優先順位」がある
あなたが亡くなった際、誰が財産を引き継ぐかは、民法という法律で以下のように優先順位が決まっています。
| 順位 | 相続人になる人 | 解説 |
|---|---|---|
| 配偶者 | 常に相続人 | 夫や妻は、どんな場合でも相続人になります。 |
| 第1順位 | 子(または孫) | お子さんがいれば、その方が最優先です。 |
| 第2順位 | 親(または祖父母) | お子さんがいない場合、ご存命なら親御さんが相続します。 |
| 第3順位 | 兄弟姉妹 | 親も子もいない場合、初めて兄弟姉妹に権利が回ります。 |
【注意!】「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」の落とし穴
もし兄弟姉妹も亡くなっている場合、その子供(あなたから見た甥・姪)が相続人になります。
疎遠にしている甥や姪が、あなたの全財産を相続することになる……というケースは、実はおひとりさまの相談で非常に多いパターンです。
「望まない相続」を防ぐには?
次の質問に、ひとつでも「はい」があれば注意が必要です。
- □ 兄弟や甥・姪と、何年も連絡を取っていない
- □ 財産は、親族ではない人に渡したい気持ちがある
- □ 遺言書が必要かどうか、正直よく分からない
このような方は、遺言書の要否を一度確認するだけでも大きな意味があります。
当事務所では、おひとりさまの相続に特化した無料相談を行っています。
2. 相続人が誰もいないと、財産はどうなる?

「自分は天涯孤独で、相続人が一人もいない」という場合、何もしなければあなたの財産は最終的に「国庫(こっこ)」、つまり国のものになります。
例えば、
・ 自宅不動産
・ 預貯金数百万円~数千万円
を持っていたとしても、遺言書がなければ、最終的に国庫に帰属します。
「誰にも迷惑をかけたくなかっただけなのに、結果的に自分の意思は一切反映されなかった」というケースも少なくありません。
「相続財産清算人」という手続き
相続人がいない場合、家庭裁判所が「相続財産清算人(そうぞくざいさんせいさんにん)」を選任します。
この清算人が、あなたの借金を返したり、特別縁故者(とくべつえんこしゃ:生前に特別お世話になった人など)へ財産を分けたりした後、残った分を国に納めます。
自分の意思で「寄付」や「遺贈」を
「国に取られるくらいなら、応援している団体に寄付したい」「母校に役立ててほしい」「お世話になった人にあげたい」と考える方も多いでしょう。
その場合は、遺言書に「〇〇に寄付する」などと明記しておく必要があります。これを生前贈与や遺贈といいます。
3. 「財産の把握」がされないリスクとデジタル資産

おひとりさまの場合、「どこにどんな財産があるか誰も知らない」という事態が最大の恐怖です。
- 預貯金や不動産: 通帳や権利証が見つからなければ、誰にも気づかれないまま、そのまま放置されてしまうかもしれません。
- 空き家問題: 相続人が不明な家が放置されると、近隣トラブルや「空き家対策特別措置法」による強制撤去の対象になるリスクもあります。
- デジタル資産: スマホのロックが解けない、ネット銀行のパスワードが分からない、仮想通貨の存在に気づかない……。これらは現代の相続で最も頭を悩ませる問題です。
対策:エンディングノートと財産目録
まずは、自分の財産をリストアップした「財産目録(ざいさんもくろく)」を作りましょう。
また、葬儀やデジタル遺産の処理などについての希望を記す「エンディングノート」も有効です。
ただし、エンディングノートには法的拘束力がないため、お金に関わる大事な決め事は必ず「遺言書」にしましょう。
この点を誤解したまま亡くなってしまうと、“せっかくエンディングノートを書いたのに何も反映されなかった”という結果になってします。
4. 葬儀・納骨・片付け……「死後事務」を誰に頼むか

亡くなった直後の手続き(役所への届け出、葬儀の手配、マンションの解約、遺品整理など)は、通常は家族が行います。
しかし、おひとりさまの場合はこれらを頼める人がいません。
そこで役立つのが「死後事務委任契約(しごじむいにんけいやく)」です。
死後の手続きが不安で眠れなかったAさんが、死後事務委任契約で安心を取り戻したケース
独身を通してきたAさん(85歳)は、「もし自宅で亡くなったら、誰が片付けてくれるのか」「葬儀も納骨も、迷惑をかけたくない」という不安を抱え、夜眠れなくなったことをきっかけに相談に来られました。
そこで弁護士と「死後事務委任契約」を締結。亡くなった後の葬儀、お墓への納骨、住んでいた賃貸物件の明け渡しまで、すべて弁護士が責任を持って行うことを約束し、Aさんは安心して余生を過ごされています。
同じような不安を感じている方は、死後事務委任契約の制度について説明を聞くだけでも安心できるはずです。
なお、死後事務委任契約については、「費用がどれくらいかかるのか」「本当に最後までやってもらえるのか」といった不安を持たれる方が多いです。
当事務所では、ご要望をうかがい、契約内容・範囲・費用を生前にすべて書面で明確にした上でご説明しています。
5. 認知症になったら? 判断能力低下への備え
相続以前の問題として、「生きている間の管理」も重要です。
認知症などで判断能力が低下すると、銀行口座が凍結されたり、悪質な詐欺に遭ったりする危険があります。
任意後見契約(にんいこうけんけいやく)
元気なうちに、将来判断能力が落ちた時に助けてくれる人(後見人)を自分で選んでおく契約です。
家族信託(かぞくしんたく)
信頼できる親族や専門家に、財産の管理・運用を託す仕組みです。
おひとりさまの場合、信頼できる専門家と組むことで、柔軟な財産管理が可能になります。
6. おひとりさま相続の「注意点・落とし穴」
ここで、よくある失敗例を見てみましょう。
- 「うちは財産が少ないから大丈夫」という思い込み
相続トラブルは、数千万円の預金よりも「一軒の自宅不動産」を巡って起こることが多いのです。
おひとりさまの場合、わずかな財産でも「誰が引き継ぐか」が明確でないと、手続きが何年も止まってしまうおそれがあります。 - 「遺言書を自分で書いたが、形式が違って無効になった」
自筆証書遺言には、日付や署名、押印など厳しいルールがあります。
せっかく書いたのに、法的に無効で使えなかった……という悲劇は後を絶ちません。
7. 弁護士に依頼するメリット

相続の問題は、単なる事務手続きではありません。
あなたの「人生の締めくくり」をどう形にするかという、非常に大切なプロセスです。
弁護士に依頼することで、以下のメリットがあります。
- 相続人調査・財産調査の徹底: 専門家の職権を使って、漏れのない調査を行います。
- 法的に問題のない遺言書の作成: 公正証書遺言の作成をサポートし、将来の紛争を防ぎます。
- 生前から死後の事務まで一貫サポート: 生前の管理から、亡くなった後の事務、遺言の執行まで、ワンストップでお任せいただけます。
まとめ:あなたの安心が、最高の終活です
おひとりさまの相続は、「誰に何を託すか」を自分自身で決める自由がある一方で、準備を怠ると周囲に大きな負担をかけたり、自分の想いが無視されたりするリスクも孕んでいます。
「まだ早いかな?」と思う今こそが、実は最適なタイミングです。
出典・参考資料
蒼生法律事務所(そうせいほうりつじむしょ)では、
・「相続人がいない可能性が高い」
・「兄弟・甥姪と関わりたくない」
・「死後の手続まで任せたい」
といった、一般的な相続相談では対応を断られがちなケースも多く寄せられています。
次のような方は、早めの相談をおすすめします
・相続人が誰になるのか即答できない
・将来、判断能力が低下した場合が不安
・亡くなった後の手続きを誰に任せるか決まっていない
これらは、元気なうちでなければ選択肢が大きく狭まる問題です。
初回無料相談では、
・あなたの立場整理
・遺言の要否
・必要な制度の優先順位
を1時間程度で明確にします。
蒼生事務所では、大阪・関西エリアを中心に、おひとりさま相続のご相談をお受けしています。
遠方の方でも、オンラインで相談を承っています。
まずは、一歩踏み出してみませんか?
ご相談にあたって、
・資料が揃っていなくても
・何を聞けばよいか分からなくても
問題ありません。
【お問い合わせ先】
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2004年の弁護士登録以降、個人・法人問わず幅広い事件を担当し、クライアントにとっての重大事には誠実かつ丁寧に寄り添う。命運に配慮し、最善策を模索。豊富な実績と十分なコミュニケーションで、敷居の高さを感じさせない弁護士像を追求してきた。1978年大阪府出身、京都大学法学部卒業。2011年に独立。不動産・労務・商事・民事・破産・家事など多様な分野を扱い、2024年6月に蒼生法律事務所へ合流。相続・遺言


