こんにちは、蒼生法律事務所で代表を務めております、弁護士の平野潤です。
「もし、親が突然認知症になったら――
自宅は売れない。銀行口座は凍結。相続対策をしたくても、もう何もできない」
こうした状況が、実際に全国で日常的に起きています。
- 高齢の親が不動産をいくつも持っている
- 将来、兄弟姉妹で揉めそうな気がしている
- 障害のある子の「親亡き後」が心配
このような不安を感じたことはありませんか?
その解決策の一つが「家族信託」です。
最近ではテレビや雑誌でも「家族信託」について取り上げられることが増えましたが、「なんだか難しそう」「お金持ちだけの話でしょ?」と思われている方も多いかもしれません。
しかし、家族信託は、会社経営者、不動産オーナーなど資産家の方はもちろん、大切なご家族の将来を守りたいすべての方にとって、非常に強力な味方になる制度です。
本日は、遺産相続のプロである私が、家族信託の仕組みからメリット、そして「ここだけは気をつけて!」という落とし穴まで、徹底解説いたします。
この記事では、相続・家族信託を専門に扱う弁護士が、
- 家族信託で「できること・できないこと」
- 実際によくある失敗パターン
- 成年後見と何が違うのか
- 弁護士に相談すべきケースの見極め方
を、専門知識がなくても分かるように解説します。
この段階でのご相談が、結果を大きく左右します。
初回相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。
1. 家族信託とは?—新しい「財産管理」のカタチ

家族信託とは、一言で言えば「信頼できる家族に、自分の財産の管理や処分を託す仕組み」のことです。
これまでの日本では、認知症などで判断能力が衰えると、銀行口座が凍結されたり、自宅の売却ができなくなったりという問題が多発していました。これを解決するために生まれたのが、2007年の信託法改正によって使いやすくなった家族信託です。
基本的なキーワード(専門用語)の解説
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 委託者 | 財産を持っている人で、管理を「お願いする人」です。 |
| 受託者 | 財産を預かり、実際に運用や管理をする「お願いされる人(主に子など)」です。 |
| 受益者 | その財産から出る利益(賃料収入や、売却代金、居住する権利)を「受け取る人」です。 最初は「委託者=受益者」とするのが一般的です。 |
| 所有権の分離 | 通常、一つの財産には一つの所有権がありますが、信託をすると これが「管理処分権」(受託者が持つ)と「財産権」(受益者が持つ)に分かれます。 |
2. どんな時に役立つの?適用ケースの紹介

① 親子間:認知症による「資産凍結」を防ぐ
75歳の父が一人暮らし。いまはまだ元気でしっかりしているけど、もし父が認知症になったら。自宅を売って老人ホームの入居費用に充てたいが、認知症になると売買契約ができなくなる。
父(委託者)が息子(受託者)と信託契約を結びます。将来、父の判断能力が低下しても、息子が自分の判断で自宅を売却し、そのお金を父(受益者)のために使うことができます。
② 兄弟間:不動産の共有トラブルを回避
親から引き継いだ賃貸アパートが、兄と弟の共有名義に。兄は早く修繕したいが、慎重な弟と意見が合わず、何も決められない。
管理を兄(受託者)に集約し、利益(財産権)は兄弟二人で分かち合う形にします。
③ 「親亡き後」問題:障害を持つ子供の生活を守る
信頼できる親族を受託者とし、子供を受益者に設定します。親が亡くなった後も、受託者が管理する信託財産から、定期的にお金を子供に渡す仕組みを作れます。
3. 手続・期間・費用について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設計 | 誰が、どの財産を、どう管理するかを決めます。 |
| 公正証書 | 信託契約書を公正証書で作ります。 |
| 口座開設 | 信託口口座を作ります。 |
| 登記 | 不動産がある場合は信託登記を行います。 |
| 期間 | 概ね2〜4ヶ月程度 |
4. 対象にできる財産の範囲と限界
| 対象 | 内容 |
|---|---|
| 対象にできるもの | 現金、不動産、未上場株式など |
| 対象にできないもの | 年金受給権、生活保護受給権、農地など |
5. 家族信託の5つのメリット

- 認知症になっても資産が凍結されない
- 二次相続以降の指定ができる
- 倒産隔離機能
- 遺産分割協議が不要になる
- 柔軟な給付が可能
6. 家族信託の問題点・デメリット
- 損益通算ができない
- 受託者の負担
- 家族内の不公平感
- 税務申告の手間
- 時間がかかる
7. 成年後見・任意後見制度との比較
| 項目 | 家族信託 | 成年後見 |
|---|---|---|
| 目的 | 資産運用 | 財産保護 |
| 開始 | 元気なうち | 判断能力低下後 |
| 報酬 | 無償が多い | 月2〜6万円 |
参考:成年後見制度(法務省)
8. 注意点・落とし穴・リスク
- 遺留分への配慮
- テンプレート使用のリスク
- 使い込みリスク
9. よくある失敗・勘違い
- 節税効果があるという誤解
- 遺言不要という誤解
10. 弁護士に依頼するメリット

- 税務リスク回避
- 登記トラブル回避
- 裁判リスク回避
お問い合わせ先
蒼生法律事務所(代表弁護士 平野 潤)
電話番号:06-6809-3033
メール:souseilaw33799@gmail.com

2004年の弁護士登録以降、個人・法人問わず幅広い事件を担当し、クライアントにとっての重大事には誠実かつ丁寧に寄り添う。命運に配慮し、最善策を模索。豊富な実績と十分なコミュニケーションで、敷居の高さを感じさせない弁護士像を追求してきた。1978年大阪府出身、京都大学法学部卒業。2011年に独立。不動産・労務・商事・民事・破産・家事など多様な分野を扱い、2024年6月に蒼生法律事務所へ合流。相続・遺言

