
遺産を相続すると、預貯金や不動産だけでなく、借入れや連帯保証などの「負債」も引き継ぐ可能性があります。特に会社経営者の相続では、会社の借入れに対する保証債務や、帳簿に現れにくい債務が後から見つかることがあり、判断を急ぐと取り返しがつきません。
本記事では、相続開始後3か月の判断期限(相続放棄)を踏まえつつ、負債リスクを見える化する手順と、相続放棄・限定承認・承継・会社売却(M&A)までの現実的な選択肢を、事例を交えて解説します。
まずは30秒セルフチェック|「弁護士に相談する」サイン
- 故人が会社の借入れで「連帯保証人」になっていた可能性がある
- 会社の決算書や借入契約書を、相続人が把握できていない
- 金融機関・リース・取引先など、債権者が複数ありそう
- 会社名義の資産(不動産・車・機械等)があるが評価が不明
- 会社を継ぐ予定がなく、売却や廃業も視野に入れている
- 債権者から連絡が来る/督促が届く/保証人の話が出ている
- 相続開始から日が浅い(相続放棄の3か月が迫っている)
初回相談では、会社経営者の相続案件を多数扱ってきた代表弁護士・平野 潤が直接お話を伺います。
結論:最初にやるべき3つのこと(期限を守るための優先順位)
以下は、当事務所で実際に多いご相談パターンをもとにした対応事例です。ポイントは「時間を確保して調査し、判断材料を揃えたうえで最適解(放棄・承継・売却)を選ぶ」ことです。
事例:財産と負債の明確化から会社売却まで
故人が会社を経営していましたが、相続人はその経営には関与しておらず、遺産や会社財産の詳細が不明な状況でした。
このため、会社の借入れについての保証債務など、故人の財産以上の負債があるのかもわからず不安に感じていました。
また、相続人は各自仕事についており、会社の継続経営にも興味がないため、どのように対応すべきかお悩みでした。
当事務所の対応
原則として、相続放棄をするかどうかは、相続開始を知ってから3か月以内に判断し手続きをしないといけません。もっとも、会社財産の調査まで必要となると時間が足りません。
そこで、当事務所では、相続放棄をするかどうか決定する重要な期間を法的に延長する手続き(熟慮期間の伸長手続き)をサポートしました。
これにより、クライアントに十分な時間を確保し、冷静に状況を評価することが可能となります。
ある程度の時間を確保できたので、故人の遺した財産および負債の全体像を把握するため、詳細な調査を行いました。
これには、会社の資産状況、負債の額、およびその他の関連情報の確認が含まれます。
もし負債が生じる可能性がある場合、債権者との交渉を行い、問題の解決を図りました。
これにより、相続によるリスクを最小限に抑えることができます。
会社を相続する意向がない場合には、適正な市場価値で会社を売却するため、税理士・公認会計士に会社の価値評価をしてもらったうえで、複数の業者に入札をしてもらいました。
最終的には、相続人が納得できる相当価格での売却を実現しました。
ご相談の流れ
相続の概要を把握し、クライアントの懸念や疑問を詳しく伺います。
クライアントから遺産の状況、関与度、および現在の悩みについて情報を収集します。
また、法律事務所のサービス内容と成功事例を紹介し、信頼関係を築きます。
依頼の詳細を確定し、正式に業務を開始いたします。
相談内容に基づいた具体的なサービス提案と見積もりを提供し、契約書を交わします。
この段階で、必要な書類や情報の提供を依頼します。
遺産の全体像を把握し、適切な対応策を計画します。
遺産に関する詳細な調査を行い、財産と負債の確定作業を進めます。
可能な債務リスクに対処するための戦略を立案し、相続放棄のオプションも検討します。
調査結果に基づき、具体的な解決策を実行します。
債務問題の交渉、会社の売却手続きの支援、その他必要な法的手続きを進行します。
このプロセスには、関連する業者や専門家(税理士、不動産鑑定士等)と協力して進めます。
全ての手続きが正しく完了し、クライアントが納得のいく結果を得られたことを確認いたします。
手続きの完了をクライアントに報告し、必要に応じて追加の支援や将来の法的問題についての相談を提供します。
会社の売却を考えている相続人の方へ
会社経営者の相続に際して直面する課題は多岐にわたりますが、それぞれに適切な対策と解決策を提供することが我々の役割です。
故人が遺した企業の責任を引き継ぐことなく、法的なリスクを最小化しながら財産を保全する方法をご提案します。
財産の詳細な調査から、必要に応じた債務の交渉、そして企業の売却まで、一連のプロセスを通じて、クライアントが安心して次のステップへと進めるよう支援します。
この包括的なアプローチにより、故人の意思に沿った公正な財産分配を実現し、相続人全員が納得のいく解決を目指します。
FAQ(よくあるご質問)
A. 早すぎることはありません。むしろ「分からない」段階が最も重要です。相続放棄の期限(原則3か月)との関係で、調査の優先順位と必要資料を整理し、短期間で全体像をつかむ段取りを立てます。
A. 相続(単純承認)をすると、原則として保証債務も相続します。相続放棄をすれば、はじめから相続人でなかった扱いとなり、保証債務も引き継ぎません。まずは保証契約の有無・範囲の確認が出発点です。
A. 状況により「熟慮期間の伸長(延長)」を家庭裁判所に申し立てて時間を確保できる場合があります。会社財産の調査が必要なケースでは、早期に延長の要否を判断します。
A. 必ずしも相続放棄一択ではありません。負債と資産のバランス、会社の価値、相続人間の意向により、承継したうえで売却(M&A)や事業整理を選ぶ方が合理的なケースもあります。
A. 会社の価値評価や売却の局面では、税理士・公認会計士等の専門家と連携し、評価→入札(相見積)→条件調整の流れを整えて進めることが重要です。案件に応じてチームで対応します。
A. 問題ありません。分かる範囲の情報(会社名・取引銀行・借入の心当たり・郵便物など)から、次に集めるべき資料と調査手順を一緒に整理します。
今すぐ相談した方がいいケース(緊急度チェック)
- 金融機関や保証協会、取引先から「保証人」「支払」「督促」の連絡が来た
- 相続開始から2か月を過ぎ、調査が進んでいない(期限が迫っている)
- 会社の帳簿・通帳・決算書にアクセスできず、実態が見えない
- 相続人間で方針(放棄/承継/売却)が割れている
上記に当てはまる場合、期限管理と調査の段取りが勝負です。「今の状況で、何を・どこまで・いつまでに」やるべきかを整理するだけでも、将来の損失リスクを大きく減らせます。
蒼生法律事務所へのご相談について
蒼生法律事務所( https://sousei-law.jp/ )では、大阪・関西エリアを中心に、会社経営者の相続をはじめとする相続案件を数多く取り扱っています。
初回のご相談にあたっては、
・資料が揃っていなくても
・何を聞けばよいか分からなくても
問題ありません。
「何から手をつければいいか分からない」という段階でも問題ありません。
・状況整理だけのご相談でも大丈夫です。
・ご相談内容がまとまっていなくても問題ありません。
・その場で結論を出す必要はありません。
・必ずしもご依頼いただく必要はありません。
「今の状態で遺産分割を進めてよい状況かどうか」を確認するだけのご相談も多くいただいています。
初回相談では、会社経営者の相続案件を多数扱ってきた代表弁護士・平野 潤が直接お話を伺います。
※ご相談内容は厳重に管理し、外部に漏れることはありませんので、ご安心ください。
【お問い合わせ先】
蒼生法律事務所(代表弁護士 平野 潤)
住所:大阪市北区西天満4丁目1番20号 リープラザ301
📞 お電話:06-6809-3033
✉ メール:souseilaw33799@gmail.com
🌐 公式サイト:https://sousei-law.jp/
※ ご相談内容がまとまっていなくても問題ありません。「何から始めればいいか」を確認するだけのご相談も多くいただいています。
いつでもお気軽にお電話・メールなどでご連絡ください。お待ちしております。

2004年の弁護士登録以降、個人・法人問わず幅広い事件を担当し、クライアントにとっての重大事には誠実かつ丁寧に寄り添う。命運に配慮し、最善策を模索。豊富な実績と十分なコミュニケーションで、敷居の高さを感じさせない弁護士像を追求してきた。1978年大阪府出身、京都大学法学部卒業。2011年に独立。不動産・労務・商事・民事・破産・家事など多様な分野を扱い、2024年6月に蒼生法律事務所へ合流。相続・遺言


